2025年4月 1日(火) 00:04 JST

一生勉強?

鈍い女

1年前、家族で金沢へ旅行に行った時のこと。

みやげ物売り場で試食したお菓子がどえらく美味しくて、自宅用に即買い。
帰ってからそのお菓子をつまみながら包みの中にあった商品の説明書きを見て愕然とした。
工場と思わしきところの所在地がなんと、自宅から自転車でも行けるところだった。
しかも京都や梅田(大阪駅)に販売店が。

「金沢の名産とちゃうんかい~!
 ミ(o_ _)oドテッ…」

まぁ、近くにあるとわかったからまた買いに行くか。
(^_^;)
お店の名前、なんかめちゃ覚えにくい。
横文字は苦手なのできっと忘れるな。
商品説明の紙はお取り置きしておこう。



と、少し物知りな方ならここですぐピンとくるのだろうが・・・。

ミ☆ミ★ミ☆ミ★ミ☆ミ★ミ☆ミ★

去年のクリスマスの宴にみんなで各々何かしらを持ち寄ることになった。

「あ~ん、何持って行ったらいいかなぁ?」

「T子さん、このあいだウチに持ってきてもらったチョコレート、すごく美味しかったからそれにすれば?」

と、いう周りのリクエストにおこたえしてT子さんが持参したチョコレート。
コレがバリ美味しかった。
早速お尋ねした。

「T子さん、あのチョコ美味しかったわぁ!どこのお店?」

「梅田三番街にあるお店~!」

といってすぐにお店のURLをlineに貼り付けてくれた。

「え~っと、何なに?さろんどろわいやる?わー、絶対3分後に忘れてる!」

ふつうはこの時点で即行気づくのだが・・・。

ミ☆ミ★ミ☆ミ★ミ☆ミ★ミ☆ミ★

それから数日後、引き出しの中を整理していたら金沢旅行で買ったお菓子の説明書きが目に留まる。

「あ、そやそや、このお菓子美味しかったよな。ん?三番街にお店?この名前、もしかして?」

T子さんのlineを遡ってみる。

・・・・・ビンゴだ。

「ぴ~かんなっつの紙、取り置いた時点でふつうは店の名前くらい覚えるやろ!ここまで来なきづかんのんかい!」

と、旦那さんに言われる前に自爆。

我が故郷では知る人ぞ知る有名な店のチョコレートを旅先のみやげとして買って、その全貌を理解するまでに1年近くかかってしまったというドジでのろまなぬいいとさんのお話。

ちなみに、今日買ってきたし♪
パッケージちがうけど、中身一緒やし♪
でも、美味しいからべつにかまへんし♪

スイッチ押したの、だぁれ?

五十路も半ばに差し掛かり、ふと周りを見渡すと、大なり小なり転機に遭遇してらっしゃる方が少なくない。

永らく働いた勤務地を後にして思いきって仕事内容をアップグレードされる方

子育てを卒業、親御さんが比較的元気であるうちに独立される方

本業の傍ら、副業にも力を入れ始められる方

大きな目標はないけど、今まで儘ならなかった趣味を再開される方

そんな周りの状況をみて、何かやらなきゃ!なんて強迫観念に襲われる。
いや、正しくは現状維持でも充分満足なんだけど、周りから

「あなた、それでいいの?」

と、軽くあちこちからせっつかれているといった感じか。

のんびり自分探ししてる余裕はない。
できない理由をつけて何も事を興さないのは怠惰だ。
なぁんていう周りの意見はごもっともなんだけど、どこか腑に落ちない部分もある。
一言で言えば

「私には私なりのペースがあり
 私には私なりの定義がある」

ってところだろうか。

今の私は普通の人ならば40年前に踏まえていることを、遅まきながら今、堪能しているところである。
具体的にいえば「低賃金労働やりまくり」とか。
たとえ低賃金でも働いた分だけ当たり前のように生銭(キゼニ)が入ってくることに今は悦びを感じている。

「それ、30年前に気づいて行動してたらなぁ(笑)(笑)」

今の私をみて親愛なる旧友達が声をそろえて言う。
ごもっとも。(^皿^)

ただ、そのおかげでふつうでは学べないことも経験できた。
決して無駄に過ごしてきたとは思っていない。

「あとはタイミングなんだけどな」

というと

「それは出来ない、やらない人のいいわけ」

と言われるのがおもしろくないので今まで言わなかったけど。

ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪ー♪

そんな折りに目からウロコが落ちるような場面に遭遇する。

職場上司がプライベートを利用して撮影した、同じ職場仲間の職務中の写真を拝見した。
その被写体はカメラ目線ではなく、自然体で本当に輝いている瞬間が捉えられていた。

「わ、コレ、めっちゃいい表情!
 本人さんにぜひ差し上げたいくらい!」

て、全く知らん職場仲間やけど(笑)。

そのときの撮影現場には私も居合わせていたが、思い返せば撮影中の彼女は望遠レンズ付きのカメラをずっと携え、知ってる人、知らない人、関係なく「いい画」を追い続けていた。

心の中の私がもうひとりの私にささやく。

「そうやん、これやん。
 あなた、ずっとやってたじゃない。」

思えば10年以上前からやってきたこと。
途中で心身の電池が無くなって一旦放棄したこと。
頭のすみっこの方に隠れていて存在さえ忘れていたこと。

たった数枚のナイスショットが
私のスイッチを入れた。
まだ豆電球くらいの光やけど。
Kちゃん上司、ありがとう。

「は?なんのこと?」
って、あなたは言うと思うけど。

規格外

香典返しの品に添える挨拶状のことで。
そないに気合い入れいでもと思い、規定のものを添えようと参考までに検索の旅に出て例文をリサーチしてみた。
…あかんがな。
例文はほとんどが葬儀だの四十九日法要だのを、当たり前のように執り行ったことが前提となっている。
まぁそれが当たり前やねんけど。

コレは業者さんに頼むにしてもやっぱり我が家にマッチした文言を考えて持ち込まないとアカンな。
うん、どう転んでもきちんと清書した資料がいるし、たった数件のこと、この際業者さんに頼らず直筆で書こう。

チープなレターセットだけどアレコレチョイスし、先月買ったばかりの税抜き千円の万年筆で
(万年筆を使うのも実は何十年かぶりだ。)
あんまし上手な字ではないけれど、誰にでも読める字で規格の文章をカスタマイズし、気持ちを込めて筆をすすめる。
なになに?時候の挨拶文はいらんてか?
「 益々 」などの重ね言葉もNGやねんな。
句読点は入れたらアカンとな?へいへいわかりました。
あ、ウッカリ弾みで「 てん(、)」入れてもうたがな!
この歳にして未だに学ぶことがたくさんありすぎる。

品物にも多少なりとも気持ちをこめたものをチョイスしたかったが、どうも私は贈り物のセンスがないので、横着してカタログギフトにした。
その分挨拶状に気持ちを込めたつもりだが、その挨拶状も先方様に読まれずに破棄されることも珍しくないとのこと。
まぁ、えぇけど。

続・過払い金請求

(長いよ。^^;)

一昨年、私がそれまでの生活にピリオドを打ってからのお話。
父が近い将来自宅でヘルパーさんのお世話になるであろうことを見越して
父が入浴介助を受けている間などを利用して
すこしずつ父の「汚部屋」の整理をしていた。

要品、不要品、保留品を丁寧に仕分けていくなかで
何種類かのカードローンの書類がでてきた。
折しも先の大手銀行系クレジット会社Uとの過払い金請求手続きの最中のことである。
父宛の郵便物を姉とチェックしだしてから約4年だが
それらの明細書は一切見覚えのないクレジット会社ばかりだ。

それらしき関連の書類を全部ゴッソリとひとまとめにして持ち帰り
自宅で1枚ずつ吟味して仕分け作業。
結局クレジット会社は4社に及ぶことがわかった。

先の一番最初に取引履歴を取り寄せたクレジット会社Uでは、新たに未払い金があるカードの存在も発覚した。
この4社の中にも未払金が存在するかもしれない。
ウッカリ電話して支払い請求されてもちと困る。
カード会社に電話するまえに、先に父の債務の有無を確認することにした。

JICCCIC全銀協…どれも「データは全くナシ」の回答だ。
これで心おきなく取引履歴を申請できる。

電話して、事情説明して、本人確認して、取引履歴申請書を送ってもらう…
ここまでは4社とも一緒である。
本人確認のため、父が起きているときを見計らっての電話、これが結構たいへんだった。
なかなか繋がらない会社もある。
繋がったとおもえば父が寝てしまっていたり。
便宜上すべて私の携帯電話で通話したが、翌月きた電話代の請求がいつもより4千円ほど跳ね上がっていた。
ショック。

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4社のクレジット会社はそれぞれ対応がまちまちである。

まずは大手銀行系会社MS。
対応がメチャ早かった。
取引履歴も引き直し計算済みで、満額返還
電話での本人確認のみで委任状も不要、振り込みもバリ早かった。
先の大手銀行系のクレジット会社Uもそうだったが
本来ならばこちらでやるべき引き直し計算をあらかじめ施した履歴を作成してくれていたり
応対も真摯で丁寧に説明してくれたりと
事がなるべく滞りなく進むようにという姿勢がうかがえる。
意地悪な見方をすれば
「厄介なことはちゃっちゃと終わらせたい」
ってところだろうか。
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かたや中小銀行系会社K。
引き直し計算された取引履歴を送って来てくれたまではよかったが
わずかだが過払い金があったので返してもらおうと電話したら
「実は別に未払いのものがございまして…」
ときた。
は?そんなん送ってきてくれた履歴にはないし、今まで請求もきてないし。
だいいち自前にしらべたCIC、JICC、全銀協でも父には一切債務はないとなっていたし。

「未払い過払い相殺して約3万円、そこに利息が加わって約11万円の未払いとなります。一度にご無理でしたら数回に分けて払っていただいてもかまいませんよ。」

受け答えは丁寧で、ウッカリ払いますと言いかけたが、まてよ?何か腑に落ちない。
そこで次のような質問をした。

「その未払金、払わなかったら後々どうなるのですか?」

すると電話口のおにいさん、少し苦笑したあとにアンサー。

「後々こちらから払ってくれ、という請求はいたしません。」

ハハァン、危うくトラップに引っ掛かるところだった。
要はこうである。
未払金があったのは事実なのであるが、最後の返済日から5年以上経過しており、時効となっていたのである。
だがこの場合の時効は刑事事件の時効と違って時期がきたら自動的に時効が成立するのではなく
消滅時効の援用という手続きを行わなければ時効が成立しない。
そして今回のこのような場合、時効に気づかずクレジット会社の口車にウッカリ乗ってたとえ1円でも払ってしまうと
本来ならば時効で払わなくてもよかった未払金を返済しなくてはならないことになるのである

セーフ。
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大手クレジット会社S。
こちらはそれはそれは膨大な資料を送ってきてくれた。
しかも引き直し計算済みだ。
だがこれもカードが複数に及んでおり、過払い金と未払金両方が存在していてしかも未払金の方が多いときた。
しかし文書には
「¥***,***.-の未払金が存在します。」
とは書いてあったものの、支払いの義務や方法に関しては一切触れていなかった。
これもおそらく時効であると判断。

このS社と上記のK社には後日改めて「消滅時効援用通知書」なるものを、配達証明付きの内容証明郵便で郵送した。
こちらも父が亡くなるまでになんとかギリギリ事を終えることができた。
セーフ。
ゴメンね、踏み倒して。

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最後の1社A。
こちらは比較的早く取引履歴を送ってもらえたが、履歴のみでこちらで引き直し計算をしなければならなかった。
今は便利な世の中でちょいと検索の旅に出れば便利なツールが手に入る。
Excelをいじったことがある人間なら自力でなんなく引き直し計算ができるツールをダウンロードしたが
これも取引履歴のデータが結構多かったのでなかなか入力に取りかかることができず
青色申告の時期と重なってしまったこともあって過払い金の有無を確認をするまでに2~3ヵ月かかってしまった。
父の入院にも差し掛かってしまったが、こちらもなんとか無事に入金された。
セーフ。

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晩年は預貯金はおろか、手持ちの小銭さえ一切持っていなかった父であるが、最終的にはうちの旦那さんのボーナス程度の過払い金が返ってきた。
経済的事情でお通夜も告別式もできず、親戚にさえもお声をかけられなかったけど、おかげさまで身内数人でささやかに送り出すことだけはできた。
過払い金がなければ
「現地集合、ただ焼くだけ」
だったところだ。
言葉は悪いけど。

過払い金請求

生前、父はカードローンで借金をしていた。
道楽や賭け事のためではなく、お店の運転資金のためだ。
私達がお店の台所事情にノータッチだった当時はわからなかったが、父が86歳でバイパス手術をして入院した時を機に
父やお店にくる郵便物をチェックしだしてから発覚。
確認すると8,000円ほどあった返済残額が返せずに
そのまま5年ほど放置されていて18,000円弱に膨れ上がっていた。

「ゲッ‼倍以上になってるやん!」

その未払金が、当時の台所事情の中では
返済の優先順位が限りなく最後尾に近いものである
ということは察していた。
かといってこのまま増え続けていくのを黙って見過ごすのもなにやら腹が立つ。

「しゃぁない。」

我が家の家計から持ち出して返済した。

それから2年ほど経ってからメディアで頻繁に流されている過払い金請求のことが気になって

「そういえばあの返済完了したカードローン
 どんな感じなんかなぁ?」

と、ダメ元で調べてみることにした。

まずは「取引履歴」のお取り寄せ。
カード会社に電話すると、まずは本人さん(父)を
電話口に出せという。
そやな、今は何でも本人確認やもんな。
かといって認知症が進みつつある父に難しいことを言っても混乱するだけなので
父の状況を先方に話し、極簡単な質問だけを受け付けるということで了解をもらって父に受話器を手渡した。

「お父ちゃん、とにかくあちらさんの言うことに
 『ハイハイ』いうて答えてくれたらえぇから。」

「よっしゃ、よっしゃ♪」

名前、生年月日、住所、電話番号…
そしておそらく先方からあとの難しいことは娘さんに任せていいですか?とでも訊かれたのであろう

「ハイハイ、全て任せますのでよろしくお願いします。」

と応えて私に受話器を返してきた。

一通りの説明を受け、この電話から一週間ほどして届いた郵便物は
「取引履歴申請書」
電話1本だけでは事は進まない、。
コレに必要事項を記入し送り返して初めて物事が動く。
合わせて父の代わりに私が動くことになるので委任状が必要となってくる。
文面はワープロで名前だけ本人の直筆で、は、NG。
すべて本人さんの直筆でお願いしますときた。
便箋に鉛筆で下書きをし、父の頭が比較的シャキッとしているおふろ帰りをめがけて筆をすすめてもらう。
1~2年前の父ならなんてこたぁない事務作業だったろうが、誤字脱字満載、訂正印の花が咲いた委任状が出来上がった。
ま、コレでも法的には充分御の字である。

最初の電話の時に、問い合わせ件数が多くて申請書が会社に届いてから取引履歴が郵送されるまで1~2ヶ月かかる
とは聞いていたが、届いたのは2ヶ月をゆうに越え3ヶ月近く経った頃だった。
途中、ホッタラカシ(放ったまま)になってるのじゃないかと確認の電話をいれてみたりもしたが
その後届いた履歴書類の枚数の多さと情報量の凄さを見て納得。
「そりゃ一件でコレだけの資料用意してたら
 2~3ヶ月かかるわな。」

さて、履歴をもらったものの、何がなんだかさっぱりわからない。
あっさりクレジット会社に電話して聞いてみる。
懇切丁寧に書類の内容を解説してくれた。

結局わかったことは、当初カード1枚で借入れてたと思っていたのが、実際は3枚に及んでいたこと。
そして返済が終わったカードに関しては過払い金があるけれど、未払金があるカードも残っていたこと。
そして幸いなことに過払いと未払いを相殺した結果、結構な額の過払い金となったこと。

「え?え?どのくらい?」

ん~そやね、うちの旦那さんが60時間ほど残業した月のお給料くらい、ってとこかな?

ただ、ネット情報によると全額戻ってくることはほぼなく、5割、ヘタすると2~3割ほどしか返ってこないという。
このまま一端の主婦が交渉しても埒アカンのじゃないか?
その道のエキスパートに任せた方がいいのかな?
不安になって、司法書士さんに相談してみる。
司法書士さんはクレジット会社名と過払いの金額だけ聞くと
「それだったら8割くらいは返ってくるんじゃないかな?
 一度ご自分で交渉してみては?」
とアドバイスをくださった。

ドンピシャ、クレジット会社からは実際の過払い金の8割返還でどうですかときた。
さすが、その道のエキスパートだ。
司法書士さんに全額返還できるようお願いしたところでおそらくその2割は報酬として持っていかれるだろう。
ウマイとこ突いとる。
当然返してもらえるお金なので自力で裁判まで持っていって全額返してもらう術もあるが
父も年齢的にいつどうなるかわからない身だし、裁判する体力もない。
示談で応じることにした。

「それではお振り込みは4月の末になりますね。」

( ̄□ ̄;)!! はぁ~~~?!3ヶ月も先ってか!
うちのオヤジ、生きてるかぁ?!
…と言いたいところをグッとこらえて
「あ~、少しでも元気あるうちにそのお金で
 温泉にでも連れてったげたいんですけど
 ダメですかね?」

と、軽くお願い。アカンとは解ってたけど。

「過払い金請求」というとなんだかクレジット会社に邪気に扱われそうなイメージがあったが
この会社は大手銀行系だからだろうか、最初の電話から一貫してとても丁寧に対応してくれた。

過払い金が銀行に振り込まれたのは父が入院する前日、亡くなる約2週間前だった。

セーフ。

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