2025年4月 3日(木) 00:15 JST

お仕事オシゴト!

商売っ気

普段、店をまわりながら心してることのひとつに

 「お客様に倫理を強要しない」

と、いうのがあります。
ちょっと、常識外れかな?と思うことでも
それがほかのお客様の迷惑でなければ
たいがい黙認、あるいは受け入れます。

それとは別に
 「『商売っ気がある』という事は
  必ずしも『お客様の言いなりになる』
      ということではない。」
という持論もあります。

このふたつの持論、たまにぬいいとさんの頭の中で
けんかすることがあって、困ります。

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ぬいいとさんの実家では「おはぎ」も販売してます。
1ヶ100円(税込)。重さ100g超。(笑)
値の割には大きく、小豆にこだわりがあり
味はあっさりしてるけど風味がある、
手前味噌ですが、結構自慢のおはぎです。

昔はひとりで5ヶ、10ヶと買われる方がほとんどでしたが
ひとり暮らしのお年寄りが増えたからでしょうか
今では2ヶ、3ヶ、というお客様がほとんどです。

「1ヶちょうだい」のお客様も最近は少なくありません。
このご時世なので、それはかまわないのですが
なにせ、一個入り専用のパックがない。
仕方なく二個入り専用のパックに入れ
包装紙を巻かずに袋に入れてお渡ししています。
正直、原価割れスレスレです。(笑)

で、先日あった予約のご注文。
 「おはぎ一個入りを13パック」
・・・・・(((((((((((^_^;) え゛っ?

ま、いろいろ事情もございましょう。
で、包装紙に包まなくていいとのことだったんで
そのようにしてご用意してお待ちしてました。
そして引き取りに来られたお客様、開口一番
 「え?包んでくれてはれへんの?」
聞けば、包まなくていいとはいったけど
気ぃきかせて包んでくれてると思っただの
包んだ方がお店の宣伝にもなるだのetc.....
あげくのはてに私が包むから包装紙くれだの。
そこまで言うなら最初から「包んで」といえばいいのに。

正直申しましょう。
包装紙開けて、あの大きさのパックに
ゴロンと一個だけおはぎが入ってる絵面は
滑稽なモノがあります。
くだけた場なら包まず出した方がいいし
包んだもの出さなアカン様なあらたまった席では
やめた方がいい。
て、本人さんの前では言いませんでしたけどね。

「なら、最初から一個売りをやめれば?」
でもね、「一個ちょうだい」って言う方が十人いたとしたら
そのうちの九人は
 「包装なんてどうでもええからとにかく一個だけ食べたいネン」
って方で、また、少量でもちょくちょく寄ってくださる方が
ほとんどなんです。
そう言う方は大事にしたいしね。
だから黙って言うとおりにしたのに・・・ぷんぷん。

「お客様の苦情は真摯に受け止めて」
も、わかるのですが
「客やから何言うてもいい!」
ってのには、いまだ抵抗があってね。
いまだ、アマちゃんなのかなぁと考え込んだり。

・・・・・でも、どこかで「線」は引かんとあかんよ・・・ね・・・?
店にも 「最低限のプライド」は、あってもいいと思います。

  

あたしの十年後 ④

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
ひとしきりぬいいとさんが喋ったあとは
なんてこたぁない会話で三人盛り上がる。

お客様 「 実はこうこうこうで、行き詰まっててね。
      こんな事ウッカリ人に話されへんし。」

ぬいいとさん 「 はぁはぁ、ほんまやなぁ。
          ありがちな話でなんてこたぁない
          事やねんけどね。
          でもプライドが許さないんでしょ? 」

クライアント 「 ようするに吐き出すとこがあれへんねんな? 」

ぬいいとさんの所にくるクライアントたちは
実のところ本当は「人間ウォッチング」なんて
二の次、って場合がほとんどかもしれない。
立場上あるいは性格上、本音が話せないひとが
抱え込んだものに耐え切れなくなったとき
あたしのもとにやってくる。
たまにフライングはあるが(そこが怖い?)
基本的には口は堅い。
地味な存在なのでマスコミが寄ってくることもない。

実は今回このように顔を突き合わせる事はめずらしい。
ぬいいとさんはじめ、みんな結構いそがしい。
ふだんはメールや掲示板、電話やチャットの
やりとりばかりだ。
そしてたまにこうして顔をあわせる。
あたしのことはHPでみなさん適当に人となりを
判断してくださっている様子。
ええかっこしいなのがたまにキズですが。

客「今度いっしょにダイビングでもいかがですか?」

ぬ「 うわぁ!この日に備えて体のメンテ
   怠らずにしてよかったわぁ。
   水着、新調しよかしら?」

ク「ぬいいとさん、スカイダイビングの事でっせ」

ぬ「ゲッ!百万円貰ってもお断りヤワ!おーこわ。」

そこへまたメールが。
今度は長年お世話になってるクライアントから。
この人のおかげで今のあたしがある。
地味だけどかっちょえぇあたしが。

  「 ぬいいとさん、頼ンまっせぇ。」

はいはぁい♪承知いたしましたよーん。

あ、さっきのお客様、今回の報酬は?
・・・あ、もう帰っちまいやがった!
手みやげだけかい!なめんなよぉ~~~!
時給×20時間分、会社に請求書まわしてやる!
え?時給いくらって?
 「時価」 ってとこで。(^_^)v

      (おしまい)

あたしの十年後 ③

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
 「昨日はどぉもぉ~~~。」
ごひいきクライアントと昨日の大事な方(お客様)が
てみやげ提げてやってきた。

必死で片づけたんだけど
ビミョーに片付かないお茶の間で
ぬいいとさんご自慢のおはぎと
てみやげのお菓子、お好みのお飲物を前に
  「 本題突入。」

といっても何を話し合うでもない。
ぬいいとさんが一方的に思った事を口走る。

「 あの上司は結構気ィちっちゃいなぁ。
  あそこの部署にこの子は合わんかも?
  でもこっちなんてどう? 」
「 あの子の食べっぷりは気に入ったわ 。惚れたドキドキ大
「 あ、あいつはアカン!食堂のおばちゃん馬鹿にしとる。怒り

ぬいいとさんの本当のお仕事
 「人間ウォッチング」

「食」を通してその人と成りを判断する。
表向きの面接や試験ではなかなか出てこない
「素」の部分が知りたいという方が
ぬいいとさんの元にやってくる。

でもあくまで思ったことを口にするだけで
人事権はぬいいとさんにはない。
最終決定は会社のヒトに任せる。
でも、依頼してくる方はわかっている。
「ようするにぬいいとさん好みの人間がOK人物だ」と。

ただ難点は、なかなか人間にダメ出ししなくて
結局選択範囲が縮まらないトコなんだけど。
でも思いのまま語るその中に答がいっぱいある。
その答えはぬいいとさんと同種のアンテナを
持った人物にしかわからない。
右脳も左脳も一生懸命使おうと努力する人。
最終的には自分で答えを見出せる人。
だから口コミだけでこのアンテナを持った方が
ぬいいとさんの元にきてくださる。

何度もいうがこれはメンツがわれると
成り立たない仕事である。
身なりがちっちゃくて地味なのも
彼女にとっては好都合。
もちろん極限られた人しか彼女の正体は知らない。

ひとしきりぬいいとさんが喋ったあとは
なんてこたぁない会話で三人盛り上がる。

(三日で終わるつもりが四日目へつづく。)

あたしの十年後 ②

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
数日間の契約も終わり、人事担当の社員さんが
ぬいいとさんに告げる。

 「社長がとりあえずぬいいとさんも参加してください
  っちゅうことですんで、こちらへ。」

と、通されたのはなにやら堅苦しい雰囲気の会議室。
珍しく小綺麗な装いのぬいいとさん。
せめて失礼にあたらない格好だけはしとかないと。
おもむろにバッグから超小型ノートPCを取り出し
カシャカシャとブラインドタッチでなにかをメモる。

この会議で何かコメントを求められることは
まずない事は、ぬいいとさん自身よく知っている。
本当のぬいいとさんの正体を知ってるのは
人事権を握っているごくわずかの人だけ。
あくまで「食堂のおねえさん」扱いだ。

でも、「なんであんなオンナがおるねん?」
なんてクレームが出ると大事な方々の面目丸つぶれ。
今回この機会を与えてくださった大事な方に
恥をかかせてはいけない。
そのための「ブラインドタッチ」。
やるときゃやるトコ見せとかんと。

人事会議、終了。
その場にいたのかいなかったのかわからない状態で
ぬいいとさん、帰路につく。
この仕事、有名になってしまうと成り立たない。
仕事は全部クチコミで入ってくる。

次の日。
ところはぬいいとさんのおうち。
昨日の「大事な方」が手みやげさげて
ごひいきクライアントと一緒にやってきた。

「 昨日はどぉもぉ~~~♪ 」

          (次回へつづく)

あたしの十年後 ①

最近こうやってブログに
「あーでもない、こーでもない」
「あーなりたい、こーなりたい」
と、心のままに綴ってますが
数週間後には
「いや、やっぱり違う。やっぱりこうしたい」
と、あれこれ心変わりすることも多々あります。

でもひとつだけ、HP立ち上げてから今まで
ずーっと右脳のなかで映像となっている
物語があります。
今日はその映像を、左脳を一生懸命使って
文章にしてお披露目しますね。
ずいぶん長くなりそうなので
三日ほどにわけて、かきこみます。

☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。*

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

あたしがこの世に生をうけて半世紀。
相変わらず 「なんてこたぁない毎日」である。
介護に内職。あいまに仲間達とおちゃ。
そのうちコレに「孫の世話」がはいってくるのも
そう遠くはなかろう。
原始的な生活に埋もれそうになって
モチベーションが下がる頃になると
それを見計らったようにメールがお越しくださる。

「 ぬいいとさん、頼ンまっせぇ。 」

はいはぁい♪と、ごひいきのクライアントから
頼まれて行った先は某有名大手企業の食堂。
社員採用試験期間中、限定のしごとである。
 「いらっしゃいませぇ」 「おおきにぃ」
ご飯のお給仕しながら、お皿洗いながら
心易く話しかけてくるお客さんと
がはがはと軽く談笑しながら
ぬいいとさんの「本当のお仕事」は進んでいく。
  (つづきは次回へ)

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