2025年12月16日(火) 03:40 JST

あたしの十年後 ③

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
 「昨日はどぉもぉ~~~。」
ごひいきクライアントと昨日の大事な方(お客様)が
てみやげ提げてやってきた。

必死で片づけたんだけど
ビミョーに片付かないお茶の間で
ぬいいとさんご自慢のおはぎと
てみやげのお菓子、お好みのお飲物を前に
  「 本題突入。」

といっても何を話し合うでもない。
ぬいいとさんが一方的に思った事を口走る。

「 あの上司は結構気ィちっちゃいなぁ。
  あそこの部署にこの子は合わんかも?
  でもこっちなんてどう? 」
「 あの子の食べっぷりは気に入ったわ 。惚れたドキドキ大
「 あ、あいつはアカン!食堂のおばちゃん馬鹿にしとる。怒り

ぬいいとさんの本当のお仕事
 「人間ウォッチング」

「食」を通してその人と成りを判断する。
表向きの面接や試験ではなかなか出てこない
「素」の部分が知りたいという方が
ぬいいとさんの元にやってくる。

でもあくまで思ったことを口にするだけで
人事権はぬいいとさんにはない。
最終決定は会社のヒトに任せる。
でも、依頼してくる方はわかっている。
「ようするにぬいいとさん好みの人間がOK人物だ」と。

ただ難点は、なかなか人間にダメ出ししなくて
結局選択範囲が縮まらないトコなんだけど。
でも思いのまま語るその中に答がいっぱいある。
その答えはぬいいとさんと同種のアンテナを
持った人物にしかわからない。
右脳も左脳も一生懸命使おうと努力する人。
最終的には自分で答えを見出せる人。
だから口コミだけでこのアンテナを持った方が
ぬいいとさんの元にきてくださる。

何度もいうがこれはメンツがわれると
成り立たない仕事である。
身なりがちっちゃくて地味なのも
彼女にとっては好都合。
もちろん極限られた人しか彼女の正体は知らない。

ひとしきりぬいいとさんが喋ったあとは
なんてこたぁない会話で三人盛り上がる。

(三日で終わるつもりが四日目へつづく。)

あたしの十年後 ②

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
数日間の契約も終わり、人事担当の社員さんが
ぬいいとさんに告げる。

 「社長がとりあえずぬいいとさんも参加してください
  っちゅうことですんで、こちらへ。」

と、通されたのはなにやら堅苦しい雰囲気の会議室。
珍しく小綺麗な装いのぬいいとさん。
せめて失礼にあたらない格好だけはしとかないと。
おもむろにバッグから超小型ノートPCを取り出し
カシャカシャとブラインドタッチでなにかをメモる。

この会議で何かコメントを求められることは
まずない事は、ぬいいとさん自身よく知っている。
本当のぬいいとさんの正体を知ってるのは
人事権を握っているごくわずかの人だけ。
あくまで「食堂のおねえさん」扱いだ。

でも、「なんであんなオンナがおるねん?」
なんてクレームが出ると大事な方々の面目丸つぶれ。
今回この機会を与えてくださった大事な方に
恥をかかせてはいけない。
そのための「ブラインドタッチ」。
やるときゃやるトコ見せとかんと。

人事会議、終了。
その場にいたのかいなかったのかわからない状態で
ぬいいとさん、帰路につく。
この仕事、有名になってしまうと成り立たない。
仕事は全部クチコミで入ってくる。

次の日。
ところはぬいいとさんのおうち。
昨日の「大事な方」が手みやげさげて
ごひいきクライアントと一緒にやってきた。

「 昨日はどぉもぉ~~~♪ 」

          (次回へつづく)

あたしの十年後 ①

最近こうやってブログに
「あーでもない、こーでもない」
「あーなりたい、こーなりたい」
と、心のままに綴ってますが
数週間後には
「いや、やっぱり違う。やっぱりこうしたい」
と、あれこれ心変わりすることも多々あります。

でもひとつだけ、HP立ち上げてから今まで
ずーっと右脳のなかで映像となっている
物語があります。
今日はその映像を、左脳を一生懸命使って
文章にしてお披露目しますね。
ずいぶん長くなりそうなので
三日ほどにわけて、かきこみます。

☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。.:*:・'゜☆。.:*:・'゜★。*

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

あたしがこの世に生をうけて半世紀。
相変わらず 「なんてこたぁない毎日」である。
介護に内職。あいまに仲間達とおちゃ。
そのうちコレに「孫の世話」がはいってくるのも
そう遠くはなかろう。
原始的な生活に埋もれそうになって
モチベーションが下がる頃になると
それを見計らったようにメールがお越しくださる。

「 ぬいいとさん、頼ンまっせぇ。 」

はいはぁい♪と、ごひいきのクライアントから
頼まれて行った先は某有名大手企業の食堂。
社員採用試験期間中、限定のしごとである。
 「いらっしゃいませぇ」 「おおきにぃ」
ご飯のお給仕しながら、お皿洗いながら
心易く話しかけてくるお客さんと
がはがはと軽く談笑しながら
ぬいいとさんの「本当のお仕事」は進んでいく。
  (つづきは次回へ)

あたしの愛車

もう1・2ヶ月前の事でしょうか。
プライベートが謎に包まれていたクライアントさんから
 「私の愛車をご紹介しましょう。」 
と、珍しくリキの入ったメールを頂戴しました。

 「うわっ!かっちょえぇ~~~!」
本人さん曰く20年ほど前のアメ車で
雑誌にも載った事があるとのこと。
車オンチのぬいいとさんにはわかりませんが
見る人がみればわかる、曰く付きの車の様で。
プライバシーの問題もあるので残念ながら
写真はカーット!!

で、あたしの愛車はというと
これまた20年ほど前にご購入のもの。
ここで写真を載せると

「\(♯ ̄□ ̄)/゛ こんなモンと私の愛車と一緒にすなァ!!」

と、クライアントさんが膳ひっくり返して暴れそうな
ぬいいとさんの愛車。

就職した時に通勤用にと購入した「チャーリー」。
五年間雨の日も雪の日も共に通った仲です。
平野にある教習所やスイミングスクールにも
これで通いましたよ。
結婚後にはママチャリに変身!
母娘三人、重たかったやろなぁ。

今のロープライスの自転車と違い
作りがしっかりしてるのでしょう。
かなりボロいけど、まだいける。

この愛車、ボロなったからといって
無下に捨てられない。なぜなら
親、兄弟、旦那、子どもにも話せない
「あーんなこと」や「こーんなこと」
いっぱいいっぱい知ってるから。

「 あーんなことかぃ?こーんなことかぃ?( ̄ー+ ̄) 」
と言う声が、愛車から、そして愛しの悪友たちから
聞こえてきます。

あたしの辞書

先日の「かっちょえぇ~~~!」で、思い出しました。

最近あたし、この歳になって
やっと気付いた事があるんです。
それはぬいいとさんの辞書に

  「 かっちょえぇ~~~! 」

の文字がないこと。

「オモロイ」 これは関西人の必須科目。

「スゴイ」 これはたまに言われる。
なんじゃかんじゃいろいろやってきましたし。

「かわいい」 ウン、ちっちゃいからねぇ。
最近いわれたのは6/12に
今年還暦迎えたみよさんから。
リアクションに困りましたわ。(^_^;ゞ

「きれい」 花嫁姿になると誰でも大概言ってもらえる。

「旦那がかっこいい」 これはたまにいわれる。(暴)
・・・と、ここらでちょいと「ヨイショ」しとこー。
 (べつにこれ見てるわけじゃないんだけど)

でもね、 「 かっちょえぇ~~~!」
が、ないんです、あたしの辞書に。

今まであたしなりにいろんなことして
そのたびにそれなりに成果あげて
一目置いてもらえることもあったのに
どこかしら、なにかしら、くすぶってる感が
ぬぐえなかったのはこれなんだ!
ってなことに今頃になって気付きました。

あ、そういえば最近あったなぁ。
笑の中学校入学式での保護者代表ご挨拶。
結構方々から「かっこよかったで」のお声頂戴しました。
もちろんお世辞でしょうが「味」しめてしまいました。
 「 これや、これでんがなぁ。」
でもこの「かっちょえぇ」はこの日限りなんですよね。

「かっちょえぇ」とはほど遠いキャラなんで
世間一般的な「かっちょえぇ」は望めないかも。
でも自分なりの「かっちょえぇ」を探しに
これから行こうと思います。

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