2024年12月23日(月) 05:32 JST

探偵ごっこ・転

(「 探偵ごっこ・起 」「 探偵ごっこ・承 」より、つづき。)

「 尋ね人 」の足取りを辿るべく、鳥取へ向けて
アクションを起こす。
鳥取からのお返事を待つ間に「 尋ね人 」である彼に対して
あれこれと思いを馳せる。

最初は「 ちょっと煩わしい 」と思っていた彼の存在だが
よくよく考えてみると彼からすれば私、いや、我々の方こそ
煩わしい存在なのかもしれない。
どこまで我々のことを認識しているのかわからないが
もし、彼が我々の存在の認識なく「 然るべき時 」が来れば
彼の前に我々がどやどやどやとにわかに登場する事になるのだ。
彼にすれば煩わしいことこの上ない。(笑)
彼にとっては全くもって迷惑なお話だ。

自らの保身のために始まったこの探偵ごっこだが
相手側にこそ守るべきものがたくさんあるかもしれない。
そんなところまで心が及ぶようになった。

「 やっぱり彼のためにも一度会っておかないと。」

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

私と同じ立場の「 同志E子 」にも
「 尋ね人捜索 」の経緯を話す。
まだ見ぬ「 尋ね人 」の彼のことでE子と話が盛り上がる。

E「 なぁなぁ、その『 尋ね人 』の彼さぁ
めちゃくちゃ大金持ちやったりしてなぁ。」

ぬ「 そやなぁ!めっちゃお金有り余ってて
ウチに寄付してくれるとか?(笑) 」

E「 あははは!ナイナイ(笑)(笑)。」

ぬ「 どんな顔してるんかなぁ。
ウチの一族と同系の顔してたら笑うよなぁ(笑)。 」

E子とそんな話をしているうちに
私の中で「 煩わしさ 」が「 楽しみ 」に変わってきた。

「 ひょっとしたら案外めちゃくちゃ気さくな人かもしれない。」

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

ぬいいとさんの右脳の中で妄想劇場が始まる。

ぬ「 あ、どうもはじめましてぇ!」

尋「 あ〜、どうもどうも〜! 」

ぬ「 え〜っとぉ、何てお呼びしたらいいかわからないんで
とりあえず『 おにいさん 』とでも
呼ばせてもらいますねぇ。」

尋「 はぁ?いきなりえらいフレンドリーですやん!(笑)」

ぬ「 あ、特に深い意味はないんで気になさらないで。
私、三姉妹の末っ子で姉がふたりとも結婚してるんで
昨日まで他人やった人を『 おにいさん 』って呼ぶことに
あんまり抵抗ないんで、軽く受け止めてくださいねぇ。」

尋「 ほんまかいな、まぁ何でもえぇわ(笑)。ほな話進めまひょ。」

そんな自分に都合のよいシチュエーションが
私の右脳の中で勝手に膨らんでいく。
アカン、マジで会うのが楽しみになってきてしまった。
もし会ってめちゃくちゃ冷たい態度とられたら
美化しすぎた分、立ち直られへんかも。

(「 探偵ごっこ・結 」 へ続く。)