2024年12月23日(月) 03:40 JST

雪の門出

「 今日な、隣の部屋で面接してたわ。
  めっちゃ気になって仕事もソコソコにして
  聞き耳立てててん。(^皿^)ヾ」

( ̄_ ̄;) ぉぃ、そこの新入社員、仕事しろよ。

そんな雪が就活に勤しんでいたのがちょうど1年ほど前。
新卒者にとって超氷河期な状況下での就活。
加えて雪の通う大学はお世辞にも名の通った大学とはいえず
その面でのハンデは否めなかったようだ。

それでも彼女は粘り強かった。
「 基本、やりたいことがあるところしか受けていない。」
とかいいつつ35社訪問し、28社の試験を受けて
ようやく1社だけ内定した。

折れることも荒れることもなくただ淡々と当たっては砕け
当たっては砕けを繰り返していたように傍目には思えたが
「 いや、闇に何度か折れかけたこともあったで。」
とは雪の後日談。

ご縁があった会社は
「 電子カルテの開発をしている、社員数ふた桁の会社。」
いわゆるベンチャー企業、というやつだ。
かねてより
「 大企業ではなく数十人規模の職場である程度個人の裁量で
  淡々と仕事をこなすことができる職種が
  この子の性に一番あってると思うんだけどな 」
と、親の私が勝手に思い描いていたのにほぼ近いイメージの
職場だ。

恐れていた入社間際の内定取り消しもなく
この春無事正社員として入社することができた。
前途洋々とは決していえないけれど、今の世の中
それは、どこへ行っても同じだ。

今のところ、五月病にかかる様子もなく
無事、初給料も頂戴したご様子。

「 お姉ちゃん、おこずかいちょうだい♪」
さっそく自分より金持ちな妹・笑に集られている。