2024年12月23日(月) 05:23 JST

涙ふくハンカチ携えて

かつて失恋レストランで一世を風靡した60歳の男性歌手が
麻薬取締法違反で逮捕された。
薬物での逮捕は今回で6度目とのこと。

「 なんで止められないんでしょう!なぜ懲りないんでしょう!」

「 60にもなって、もういいおとななのにね!」

朝の民放ワイドショーで芸能コメンテイターやゲストが
薬物依存の実情を知ってか知らずか、井戸端会議的な
「 正論 」コメントをぶちまける。

ちょっと意地悪な捉え方かもしれないが、何気に発した
この「正論」こそ危険を孕んでいるんじゃないかと感じた。
なぜなら、この「 正論 」の背景には

「 たとえ薬物依存に見舞われても、本人が本気になれば
  必ず克服できる。私ならやってみせる!」

という潜在意識があるからだ。

薬物に限らず「 依存症 」の克服はそれはそれは容易ではない。
克服体験談もあるにはあるが、その背景には挫折談が
ゴマンと隠れている。

そこに至るまでの経緯の違法性や不道徳はともかく
いったん見舞われた「 依存症 」そのものは
本人の善悪にかかわらず「 病気 」なのだ。
って、自ら経験したことがない私が言っても説得力はないが。

もし私があのスタジオにいたとしたら、こう発したい。

「 一度薬物に手を染めると最後、そこから抜け出るのは
 一筋縄ではいかない。
  それは、60になろうが80になろうが、何度逮捕されようが
 である。
  だから、薬物に手を出しちゃダメ!」

まぁコレも
「 人間『やるな』と言われるとかえってやりたくなる
  厄介な生き物である 」
ということが踏まえられていない
これまたぬいいとさんの「 浅いコメント 」なのであるが。