2024年12月31日(火) 05:01 JST

鼻先にんじん

Y太は提出物が苦手だ。
まず自ら動いてちゃっちゃと片付けてしまうタイプではない。
周りに促されてボチボチ動く。
苦手なものはいつまでも残っている。
当然夏休みの課題はいつもギリギリか、期限を過ぎての提出。
中には出せず仕舞いのものもしばしばだ。

そんなY太がこの夏休み、めずらしく始業式の二日前に
めでたく宿題をぜんぶ済ませた。
特にラスト数日間のスパートには素晴らしいものがあった。

「 へぇ〜、やるじゃん。」

安堵しながらも、どういう風の吹き回しかなぁと
小首をかしげていたら、夏休みの最終日に旦那さんとY太は
ふたりで旅に出かけてしまった。

「 夏休みの宿題を全て終わらせたら
 味噌カツ食いに、名古屋まで連れて行ってやる。」

(-_-;)なるほど。
旦那さん、Y太の鼻先ににんじんぶら下げたんか。

「 自らの鍛錬に関するもの(この場合は宿題)に
 褒美や報酬は与えない 」
というのが私の基本的な考えだが
「 どんな方法使ってでも、やるように仕向けることも
 時には必要だ。」
というのが旦那さんの考えだ。

よってこれまでにも私の知らない間に父子で密約が交わされ
鼻先にんじんの効果でこどもたちがミッションクリアに
至ったこと数知れず。

正直、母としてはちょっぴりオモシロくない。(笑)

ただ、ウチの旦那さんの鼻先にんじんのぶら下げ方
飴とムチのさじ加減は絶妙で、その効果の絶大なことを
鑑みると、この鼻先にんじんを容認せざるを得ないのが実状だ。

今回の旅の途中で旦那さんはまたY太の鼻先に
にんじんをぶら下げた。

「 公立高校に通ったらスマホにしてやる。
  私立なら今まで通りの携帯。」

今の自力でほぼ9割方行ける私立で甘んじる空気だったのが
一転してにわかに公立高校を物色し始めたY太。
やっぱりコイツを操れるのは旦那さんしかいない。脱帽。

「 オレ、笑ネェが行ってたおこげ高校で、えぇわ。」

凸(`皿´メ)゛はぁ゛〜〜〜〜〜っ?!
「 で、えぇ 」って、おこげ高校ナメんなよぉ〜〜〜〜〜!

…笑、怒っといたったからな。^^