2024年12月26日(木) 04:27 JST

お話上手・その2

娘と食卓を囲んでいたとある夕暮れ時、テレビの報道番組で
北朝鮮拉致被害者・横田めぐみさんの母、早紀江さんが
取材に応じてあれこれ語られていた。

笑「 この人、しゃべり上手いなぁ。」
ぬ「 そりゃなぁ、これだけ場数踏めば上手くもなるで。
ホンマ、元はといえばなんてこたぁない
普通のご婦人のはずやったのになぁ…。」

講演、陳情、取材、各界要人との面会、マスコミへの露出…
もう何十年と、ご本人の意志とは関係なく降りかかっている。
いや、正確には
「 理不尽な理由で連れ去られた娘を連れ戻したい 」
ただ、それ一心で動いてらっしゃるがゆえにいろんなものが
付随してきている、ということかな。

著名人になりたかったわけではない。
偉業を達成したわけでもなんらかの罪を犯したわけでもない。
人脈を広げて認めてもらおうと思っているわけでもない。
ただ、平凡に穏やかに家族と一緒に暮らしたかった
そんなご夫婦だ。

前述、まー君の場合は自ら掲げた目標に付随してくる副産物は
いいことも悪いこともすべて前向きに受け入れることが
比較的容易である。
しかし横田さん夫妻の場合、リスクはもちろんのこと
一見かっこいいと思える様々な事象やメリットに対して
ご本人がどう捉えるかは自由としても、第三者が安易に
評するのはいかがなものかと思う。
間違っても
「 不幸にみまわれたけど、有名になれたし、いいじゃん。」
なんて言葉は御法度だし、そんなこというヤツは
ぬいいとさんが月に代わってオシオキよ!( 古 )

「 あの娘はあの日あの時、たまたまあの場所を
通りかかっただけなのに。
あの日の時間の歯車がひとつでもずれていたら
こんな目には遭わなかったのに。」

時のいたずらで人生を翻弄された方たちがゴマンといる。
平穏な日々を送っていることが奇跡的なのかもしれない。

(「 お話上手・その3 」につづく )