2024年12月22日(日) 18:16 JST

忘れかけていたラ(イ)ブソング

大昔にアリスのべーやんがこんな題名の歌、うたってたよな。
そないにメジャーではないけど。
あんまり本題とは関係ないけど。

10日以上経って、世の中が前向いて走ってる中
みんなからは忘れかけられているかもしれない
ライブレポをば、コソッと。
………………………………………………
いつものようにムービー片手にギャラリーに紛れて
モニター越しと肉眼とで交互に彼らの姿を追う。
ライブも半ばにさしかかった頃、耳慣れないメロディーが
彼らから流れてきた。

「 あ、新曲だ。」
と思った次の瞬間、ちょっとしたエアポケットに
落ち込んだ感覚にみまわれた。

「 え?何?誰? 」

時間にしてほんの数秒のことなんだけど
声の主を探すのにひどく時間がかかったような感覚があった。
あっちゅんでもない、るんたんでもない、男子の声。
「 え?まさか!」
慌てて彼に目を向ける。

紛れもなく「 彼 」だ。

1年前まではコーラスくちパク疑惑まで浮上していた彼。
人前でパフォーマンスするどころか
トークすることさえ拒否ってるような印象さえあった彼。
その彼がメインで歌い出したのである。

ズンズン引き込まれそうになった。
心の中では鈴を通り越して、 除夜の 鐘が鳴り響く。
私の視線はビデオのモニターからは離れ
「 生の彼 」に釘付けとなる。

「 あ、アカン、ヤバい。」
このまま彼の世界に身を委ねたい気持ちとは裏腹に
「もうひとりの私」が危険を察して
まるで子猫を首根っこつかんで引っ張りあげるかのごとく
放心状態の私をその「 危険エリア 」からヒョイとつまみ出した。

「 危険エリア 」からつまみ出された私は
慌てて気をとりなおし、ビデオカメラのモニターを注視して
撮影に没頭しだした。
そう、崩れそうになりかけた自分を取り戻すかのごとく。
必死で。

夢の時間はほんのひとときで終わってしまった。
冷静を装うことができた私。
あのままあの世界に飛び込んでいってたら
きっと私、周りが引くくらい崩れていたかもしれない。
「首根っこ掴んでつまみだした方の自分」は安堵していたが
それとは反対に「つまみ出された方の自分」には
猛烈な焦燥感が押し寄せた。

「 なんで素直になれなかったんだろう。」

心とは裏腹なアクションを起こしてしまった自分に対して
ひどくガッカリしていた。

別に彼を独り占めしたいわけではない。
ただ、素直に感動したかっただけだった。
誰はばかることなく。

いつからこんなんになったんだろう。
いや、ホントの私があぶり出されてきたのかな?
ええかっこして心のブレーキを多用し過ぎてない?
あれやこれやと自問自答。

「 も〜!キュンキュン鳴ったわぁ! 」
ワールドワイドウェブ公認の彼のランチパートナーが
ライブのあとに彼を茶化す。
うん、そやねん、そういう風に伝える術は
私にもあるはずなんだけどね。
今日は、何も、言えない。