2024年12月23日(月) 00:32 JST

絵本

ひと昔前に知人と共同で自費出版で本を出したことがあります。
幼児向けの歯磨き動機付けの本で
歯科衛生士をしている友人が内容を構成し
あたしがイラストを担当する。
経費は折半。

ふたりとも当時はふたりの子の子育てで
     (途中「出産」なんてのもあった。)
なかなか進みませんでしたが、それでも
2~3年越しでやっとできあがりました。
一冊の原価1000円。売値500円。
何冊作ったかもう忘れたけど。

完全赤字。それでもたくさんの人に見てもらいたい。
儲けようなんて気はサラサラない。
その点ではふたりの気持ちは一緒でした。
今の家計から考えると到底出来ない贅沢です。

でも、いざできあがって皆さんにお披露目すると
ちょくちょく耳にした言葉が
「ぬいいとさん、今度はこんなことして儲けようとしとんでぇ。」

モノの価値がわかる方ならこんなこと言わないんでしょうけどね。
まぁ、あたしも世間を知らない方なんで
こういった方たちの存在は特に気にはしなかったんですが。

で、努力の甲斐あって、数百冊あった絵本も
ようやく残りわずかとなった頃、事件は起こりました。

「この絵本を数百冊(数は忘れた)知人の幼稚園で配りたいんだけど
 一部どうしても変えて欲しいところがある。なんとかならないか?」

相方のお世話になっている先輩歯科衛生士さんからの依頼でした。
刷れば刷るほど赤字がでる。
しがない主婦にもうこれ以上贅沢をする余裕はない。
初版完売で本人たち(少なくともあたしだけは)は納得している。
何よりも、専門的見解からみると不完全かもしれないが、
制作者が一度納得して形にしたものを
全然関係ない人に「書きかえろ」といわれた事に憤りを感じました。
あたしは頑なに受け入れを拒否しました。

これがまだスポンサーとなってくれる、ってのなら話はわかるんです。
ビジネスと割り切ってあたしもスポンサーさんの意見を受け入れます。
その後その方とお会いする事がありました。

「とってもいい内容なだけにアノ部分だけがおしい。」
誉め言葉のつもりだったんでしょうか。
でも、モノの価値がわかれば、あんな要求はしないハズ。
どれだけ不快な思いをしたか、どれだけ赤字がでるか
あたしひとりの絵本ならハッキリ言ってやるとこでしたが・・・・・。
相方の立場を考えると言えませんでした。

結局、絵を描き変えて「改訂第二版」を出すことに。
もちろん「自腹」で。
今もまだ押入に眠ってますが、初版はいとおしいけど
「改訂第二版」は早くさばいてしまいたい気分です。

HPもわたしにとってはこの絵本のようなもの。
大事にしたい宝なんです。
コメント欄や掲示板で非難されるのは一向に構わない。
でも「書きかえろ」は、いやなんです。
でもそこにしがらみが入るとねぇ・・・・・。

「できるだけしがらみを作りたくない。」

次のひとつが、この「絵本事件」です。では最後の・・・。