2024年12月23日(月) 00:47 JST

あたしの十年後 ④

  「伝説の食堂のおねえさん」
    ~おばちゃんとは言わせないわよん♪~

(前回よりつづき)
ひとしきりぬいいとさんが喋ったあとは
なんてこたぁない会話で三人盛り上がる。

お客様 「 実はこうこうこうで、行き詰まっててね。
      こんな事ウッカリ人に話されへんし。」

ぬいいとさん 「 はぁはぁ、ほんまやなぁ。
          ありがちな話でなんてこたぁない
          事やねんけどね。
          でもプライドが許さないんでしょ? 」

クライアント 「 ようするに吐き出すとこがあれへんねんな? 」

ぬいいとさんの所にくるクライアントたちは
実のところ本当は「人間ウォッチング」なんて
二の次、って場合がほとんどかもしれない。
立場上あるいは性格上、本音が話せないひとが
抱え込んだものに耐え切れなくなったとき
あたしのもとにやってくる。
たまにフライングはあるが(そこが怖い?)
基本的には口は堅い。
地味な存在なのでマスコミが寄ってくることもない。

実は今回このように顔を突き合わせる事はめずらしい。
ぬいいとさんはじめ、みんな結構いそがしい。
ふだんはメールや掲示板、電話やチャットの
やりとりばかりだ。
そしてたまにこうして顔をあわせる。
あたしのことはHPでみなさん適当に人となりを
判断してくださっている様子。
ええかっこしいなのがたまにキズですが。

客「今度いっしょにダイビングでもいかがですか?」

ぬ「 うわぁ!この日に備えて体のメンテ
   怠らずにしてよかったわぁ。
   水着、新調しよかしら?」

ク「ぬいいとさん、スカイダイビングの事でっせ」

ぬ「ゲッ!百万円貰ってもお断りヤワ!おーこわ。」

そこへまたメールが。
今度は長年お世話になってるクライアントから。
この人のおかげで今のあたしがある。
地味だけどかっちょえぇあたしが。

  「 ぬいいとさん、頼ンまっせぇ。」

はいはぁい♪承知いたしましたよーん。

あ、さっきのお客様、今回の報酬は?
・・・あ、もう帰っちまいやがった!
手みやげだけかい!なめんなよぉ~~~!
時給×20時間分、会社に請求書まわしてやる!
え?時給いくらって?
 「時価」 ってとこで。(^_^)v

      (おしまい)