2024年12月22日(日) 01:56 JST

雪・出産ドラマ

あたりまえのことだが、なにもかもが初めてのことだった。
予定日間近のとある夕方のこと。
10分感覚の陣痛が始まり、病院へ入ったぬいいとさん。
「 おそらく(出産は)明日夕方くらいになるでしょう。」
という院長先生の診断に、母いとさんは
「 そんな長ない、朝までに出てきちまうで。」
と大胆予測。
母、姉、ともに分娩時間は短かった。
全く根拠がないわけでもない予測だ。
「 まだこれから痛くなるんかなぁ。」
と不安げな私に母・いとさんはひとこと
「 痛なるで。( ̄ー+ ̄) 」
とだけ言い残して病院をあとにした。
冷たいようだけど、それが現実、というのは
その数時間後知ることとなる。
しばらく旦那も付き添ってくれていた。
痛みを逃すのに必死な私を
冗談を言ってなごませようとする旦那。
…逆効果である。(笑)
ただちにぬいいとさんの逆鱗に触れることとなった。
深夜になったこともあって旦那も一時帰宅。
あとは陣痛室から分娩台で
ぬいいとさん、(おなかの中の)雪、付き添いの看護婦さんの
二人三脚での死闘(笑)が繰り広げられる。
夕方に本格的陣痛が始まってから
日が変わって次の日の早朝。

いよいよ、というときにようやく院長先生登場。
「 やっとこの苦しみから解放される!」
ものすごい便秘とものすごい下痢が一気にやってきて
スイカくらいのう〇こをアソコから出そうか
というくらいの痛さ
と、いつぞやの探偵ナイトスクープで形容していた痛さとの闘い。

予備知識としてインプットされていた「 陰部切開 」
出産前にはとても恐れていたことだが
「 ちょっと助けるよ。(陰部切開します、の意) 」
の声を聞いたときにはすごく嬉しかった。
アソコを切るなんて!と、あれほど恐れていたのに、である。
「 これでやっとこの苦しみから解放される。
  切ってでもなんでもええからとにかく
  早よ出して!」
それが正直な思いだった。
「 声を出さないで 」とか「 口をあけないで 」とか
結構細かい掟も要求され、すったもんだの末
…産まれた。
分娩時間10時間足らず。
初産にしてみれば早い方だ。
いとさんの予言通りである。
世の中的には「 安産 」だが、本人的には 「 地獄の沙汰 」 だった。
おなかにのっけられた産みたてホカホカの赤子。
「 (男か女か)自分で確かめてごらん。」と院長先生。
足の付け根のどこを探してもイチモツはない。
乙女だ。
ほどなく旦那が駆けつける。
心憎いことに「 アメジストのベビーリング 」
なんてのを携えて。
昨夜、私を怒らせてしまった事案は
忘れることにした(笑)。
ありがとね♪
数日後、「 雪子 」と命名した。
17年以上前、如月のとある日の出来事。
雪は降ってなかったけど。