2024年4月20日(土) 05:25 JST

週一バイト

好条件

たい焼き屋さんと並行してよく紹介されていたお仕事に
中華レストランでのホールのお仕事というのがあった。
経験豊富、お昼どきの4時間、無理なく働けそうなのだが
時給が結構高いのとパンストに黒ヒール着用というのが
なんだか敷居が高く思えて躊躇していた。
すると登録会社の方から連絡が入った。

「 ぬいいとさ〜ん、中華レストランのお仕事いかがっすか?」

流れに任せる方なので行くことにした。

オフィス街のレストランのランチタイムは
目の回るような忙しさ、まさしく猫の手も借りたい程である。
日雇いバイトなのでやることは限られているが
猫の手くらいにはなる。
ただその「 猫の手 」に対する報酬の大きさに
なんともいえぬ遠慮心が拭い去れなかった。

「 これでレギュラーさんはいくらもらってはるんやろ? 」

案の定、レギュラーの方の不満の声が耳に入ってくる。

「 私ら2500円くらいもらってもいいくらいやわ。」

そりゃ、そない言いたくもなるわな。
私もそう思う。
「 猫の手 」なら最低賃金そこそこでちょうどいいくらいだ。
仕事内容やレギュラーの方々にはなんの不満もなかったけど
ものすごく好条件なお仕事にもかかわらず
その後のお仕事募集にちょっと及び腰になる自分がいた。

でも、一般募集ではなく、1本吊りでやってくる。

「 ぬいいとさ〜ん、中華レストランのお仕事いかがっすか? 」

父の介護の絡みで1ヶ月半ほどお仕事に出れず
お断り続きになってるにもかかわらず、お声をかけて下さる。
ありがたいことやな。
それも稀にみる好条件、尻込みしてたら罰当たりかも。

昨日、久方ぶりに中華レストランのお仕事に行く。
3回目だ。
1回目9号、2回目11号、そして今回は15号
貸し出されるユニフォームのサイズが段々大きくなっている。
着痩せする質なのか、それでも実体は徐々にバレバレだ。

たい焼き屋さんの募集は最近全然ないけれど
こちらはかなりコンスタントに募集が入る。
大事にしよう。

たい焼き屋さん

お昼の数時間という日雇いのお仕事をゲットした。
ミナミ(大阪の繁華街)でたい焼きを売るバイトだ。
レジは昔ながらのものなので扱いは熟知している。
たい焼きの種類も2種類なので物覚えの悪い私でも大丈夫。
焼くのはレギュラーさんなので、私は売るだけだ。
ライン作業は2時間ぶっ通しだと吐きそうにシンドイけど
販売は4時間ぶっ通しでも全然苦にならない。
「 天職 」といってもいいかしら。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

2週間後、再びたい焼き屋さんへ。

「 2回目でまだ不慣れですけどよろしくお願いしまぁす♪」

店長さん、女性スタッフ2名さん、ほんの一瞬空気が止まる。
つかの間の静寂のあとに店長さんが女学生風スタッフさんに

「 …ま、自分、もうできるよね、大丈夫♪^^」

と、ポンと肩を叩いた。

不慣れな手つきでたい焼きを焼き始める女学生の彼女。
後にその彼女も私と同じ派遣の日雇いバイトで
しかも私と同じ、2度目の現場入りだと知る。
私が先制パンチ的バリアを張ってしまったがために
同じ立場の彼女にプレッシャーがかかってしまったようだ。

ぬ「 ごめぇん!何も知らんと変なこと言うて
  えらい負担かけてしもたなぁ! 」

彼女「 いえいえ、大丈夫ですよ〜。^^ 」

かなり前から短期派遣の登録はしていたけど
働き出したのは最近であること
検品はヤッパリきつい!と思ったこと
ここの現場は楽しみにしていること、などなど
初頭の私の失礼なぞ気にも留めずにいろいろお話してくれた。

バイトも終わりに近づいた頃に

「 最初はロスが多かったけど、結構さまになってきたと
 思いませーん?(^_^)v 」

と、自分で焼いたたい焼きを前にしてご満悦の彼女。

彼女の明るさに本当に救われた。
彼女の姿勢を見て、まだまだ私は甘いと悟った。
自分の子どもくらいの年頃の彼女にたくさんのことを
教えてもらった1日だった。

*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゜・:,。*:..。o○☆

その2週間後に3度目のたい焼き屋さんへ。
売り場へ行くと見慣れない機械が。

店長「 今日からレジが変わります〜。」

あ、あいぱっとぉ〜〜〜?!
昔ながらのレジでめちゃくちゃ安堵してたのに。(T_T)
たどたどしい指遣いでタッチパネルを撫で回す。

スタッフもいつもよりひとり少ない。
もしかして…

「 ぬいいとさん、そしたらたい焼き焼いてもらえますかぁ?」

キタ━━━(>_<)━━━!!
ε=ε=(;ノ^^)ノ゛どうしよドウシヨどうしましょ〜!

と、つかの間の動揺はあったものの、潔く快諾できたのも
前回あった、女学生バイトさんとの出会いのおかげだ。
2度目だろうが3度目だろうがそんなの関係ねぇ。(古)

まだまだ未熟ながらもなんとかたい焼き焼きぃの
始動し始めてまだまだエラー連発のiPadと格闘しぃの
かなりの割合でやってくる外国人さんに
カタコト英語でやりとりしながら楽しみぃの
馴染みのお客様の難解カスタマイズオーダーに苦戦しぃのと
いろいろあったけど、何もかもが面白く思えた。
ここの現場が一番合ってるかな?

(2015.10.26.〜11.13.)

ウタマロに逢いたくて

ラインから外された経緯を笑い話にしながら

「 にちゃ手(手掌多汗症)の私に検品は無ぅ理ぃ~!(/- -)/」
と家族や仲間たちにも公言したぬいいとさんだったが
それでも日雇いバイトとなると紹介されるのは
工場系の仕事がほとんどを占める。
なんとかにちゃ手でも大丈夫なお仕事か、手袋OKのお仕事を
とお仕事リストに目を通していたら、見覚えのある姿に
遭遇した。



汚れものを洗う時にいつもお世話になる「 彼 」である。
お仕事は石鹸やシャンプーの検品・梱包、ライン作業だ。
工場は同じ区内?知らなんだ、チャリでいけるやん。
無性に「 彼 」に会いたくなった。

で、冒頭の決意表明を思いっきりひっくり返して
自前の手袋持参して「 彼 」に会いに行くことにした。
もしかしたら「 彼女 」なのかもしれないのに、である。
( どうでもえぇ。)

こちらの工場は衛生管理もかなり徹底されていて
検品の際は常備されている手袋必着。
にちゃ手の私には誠に非常にありがたい。
何時間もぶっ通しでラインに流れてくるウタマロ君達に
最後は吐きそうになるくらい酔ってしまったけど
現場の方たちの温かい励ましに、なんとか
1日を終えることができた。

意識がもうろうとする中でそれでもしっかり
ロット番号だけはチェックした。
今度どこかの売り場でこのロット番号の「彼」を見かけたら
再会を喜び合おう。
たぶん喜ぶのはあたしだけやけど。

(2015.10.23.)

ライン

今、こんなタイトル出したら十中八九、例のSNSを
連想されるだろうな。
そうじゃなくて、「 ライン作業 」のお話。

1日だけ、という日雇いバイトで検品のお仕事を紹介された。
某化粧品工場でベルトコンベアに乗って流れてくる商品を
ひとつひとつチェックしていくというお仕事。
作業開始から数分後、レギュラーさんから声がかかる。

「 もしかして、見えにくいんじゃない? 」

自分では不自由を感じていなかったが周りからは
そうみえなかったようだ。
現場に常備してある簡易の老眼鏡を勧められ
断るのもなんだかなぁがあったのでお借りする事にした。
なんだか特に変化はない気がしたけど、そのまま事を進める。

「 1個1個ちゃんと見てね 」
「 もう少し早く見てね 」
(^_^;) どないせい、ちゅうねん。

「 これくらいの穴空きはOK 」
「 このくらい穴はダメ、ってさっき言いましたよね 」
(^_^;) アレとコレ、穴の大きさの違いがわからん。

ちょっと油断すると流れに間に合わなくなり
目の前が商品の山になる。
「 そんなに目の前に積んだら邪魔でしょ?」
(^_^;) あ、いや、わかってるんですけどね。
わかっちゃいるけどさぁ。(^。^;)

正直、いきなりそこまで求められても、な事のオンパレード。

「 あの頑張りやのK子ちゃんが検品の仕事を1日で辞めたの
  ようわかったわ。」

そんなことを考えながら、でも他に何も考える余地もないまま
時間は過ぎていった。

ともすればお客様気分になりがちな1日バイトだが
それではレギュラーの方たち失礼に当たるので
不慣れなりにできうる努力はしようと臨んだ。
そう、これから何度かお世話になるかもしれないし。
慣れれば穴の微妙な違いもわかってくるやろし。

そう思い直した矢先、ラインに流れてくる商品が一変した。
細長い商品にビニールのラッピングをする作業。
極端に手先を使う作業に変わってしまった。
慌ててラインに入り込む。

ほどなくひとりのレギュラーさんの声が鳴り響く。

「 ちょっと〜!なんで濡れた商品が流れてくるの〜?!」

\(-_-;) …はい、それ、諸悪の根源は私です。

ぬいいとさん、生まれつきの手掌多汗症。
ひどくなると汗が手から滴り落ちるほど手汗が酷いのである。
それを知ったレギュラーさん、言葉をなくす。
そしてそのままぬいいとさん、ラインから外される。
私に検品は不向きだと悟った瞬間だった。

1日の作業を終え、長らく眼を酷使していたわりには
眼の疲れがないことに気づいた。
使っているうちは必要性を感じなかった老眼鏡
やっぱり持ってた方がいいかも
と、ひとつ発見があったことが収穫。

(2016.10.16.)

来客

先日、サプライズゲスト(厳密にはカスタマー?)
がありました。
「 たかちゃん 」
って、誰やねんソレ?!ですよね。
以前、関テレの社員食堂で週一バイトをしていた時の
職場仲間のたかちゃん。
実は不覚にも最初お顔を拝見した時に
見覚えはあったもののピンとこなくて
しばらくのあいだ
「 ん?誰のお母さんやったかな?
  いや、ご近所さん?どこかの店の店員さん?」
なんてぐちゃぐちゃになった記憶の紐をほどいて
やっと
「 そや!関テレや!」
と正解にたどりついたのは、たかちゃんがカレーうどんを
半分ほど食べた頃でした。
2年半ぶりの再会とはいえ、そして不意打ちだったとはいえ
仮にも週一回合わせていたお顔を忘れてしまうなんて!
失礼にもほどがありますよね。
で、あわててお声をかけるぬいいとさん。
「 間違ってたらスミマセン、関テレでご一緒やった・・・ 」  
・・・・あ、名前、なんだったっけ?(笑)
どこまでも失礼なヤツです。^^;
でも、ここまで言うとたかちゃん、にっこり微笑んで
お話を始めてくださいましたよ。

関テレはぬいいとさん宅からは電車に乗って30分ほどの現場
近所の超ローカルな話題なんてここでは無縁だと思っていたら
ひょんなことからこのたかちゃんが、子どものころ
ぬいいとさんの実家件職場のごく近くに住んでいて
よくうちの店に来てくれてたことが発覚。
「ぬいいとさんとこの店、っていったらカレーうどんやんな!!」
そうそう、そんなこと言ってくれてたのもやっと思い出したわ。
今は京橋在住ですが、このたび親御さんがこちらに
引っ越されてきたとのことで、うちに立ち寄ってくださったとのことです。
あいにくお店が満杯で、ゆっくりお話できなかったんですが
「ごちそうさまぁ♪」
と帰ったそのあとには、紙ナフキンに書いた置手紙が・・・。
「 子供の頃に食べていたカレーうどんのままでした。
  食べてみると思い出すものですね。
  おいしかったです。また来ます。
  ごちそうさまでした。
  思い出してくれてありがとう。」

なにもお礼が言えなかったなぁ・・・。
たかちゃん、また、来てね。

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