転ばぬ先の杖的手術

3週間入院していた義兄が退院してきたその4日後
父が厨房で意識を失って倒れた。

「 今、救急車待ってるところやねん。」
まだ出勤前で自宅にいた私に実姉 keshidama さんから
電話が入る。

「 わかった、病院着いたら知らせて。」
救急だけどもう行く病院は九分通り決まってる。
我が家から徒歩圏内にある病院だ。

思えばもう何度こんな場面に遭遇したであろう。
keshidama さんも私も手慣れたものだ。

救急車で運ばれたが、病院へ着く頃には意識がもどり
血圧、心拍、その他 モロモロの検査をしたが異常なし。

「 ふぅ〜ん、さてこの状態で僕にどうしろというのだろう。」

一見ちょっとふざけた感じのあんちゃん先生が
医師らしからぬ独り言を漏らしたその時!

「 ぴーーーーーーーーーー 」

それまで脈打ってた父の心音が止まった。

急に処置室内が慌ただしくなる。
さっきまでゆるゆるモードだったあんちゃん先生が

「 あ、大丈夫ですから。」

と凛々しく我々をなだめながらすばやく手袋をし
心臓マッサージをすべく父の胸に手をあてようとしたその時
心拍が戻った。
時間にしてほんの数秒の心停止だ。

「 あ、これは僕の範疇じゃないわ!
  循環器の先生呼んできて!」

最初は病状の見当がつかなかったあんちゃん先生も
やはりれっきとした医師だ。( 先生、失礼!)
おおよその察しがついたのだろう。
ほどなくやってきた循環器科の先生に今その場で起こった事や
既往歴を伝えたあとに下されたその病名は

「 洞機能不全症候群 」

ここ1〜2年の間に意識を失っては倒れて
慌てて救急車で運ばれるものの、原因がわからず
その日のうちに帰される、といったことが何度もあった。

「 なんでだろ〜?」
の連続だったが、24時間心電図を取っても拾うことが難しい
決定的瞬間をこの度医師、看護師の面前で確認できた。
ひらたく言えば、運が良かった、ということだ。

病状や、病名の説明に関しては話し出すと
とてつも長くなるので割愛。
興味のある方は各々検索の旅に出られるか
お会いしたときにでもじっくりお話をきいていただく
ということで。

かくして、またまた日本の医療保険制度の厚遇を
うけることとなる。

「 ペースメーカー埋め込み手術 」

手術を渋る父に、先生が諭す。
「 転ばぬ先の杖的手術だから。」

もう、何回も転んだけど。

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ぬいいとさんの「のんびりのびのび」
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