お宮に奉られた御守り・完結編

(「 お宮に奉られた御守り
 「 続・お宮に奉られた御守り
 「 続々・お宮に奉られた御守り 」よりつづき )

あまりにあっさりと終わりを告げられ、内診台のうえで
少しあっけにとられている私に、先生は言葉を続ける。

「 エコーの画面をみてくださぁい。」

まだお宮の参道(産道)に取材カメラが待機したままの状態で
傍らのモニターに目をやる。
画面が2分割にされたモニターには
シロウトが一目みただけではそれがなになのかわからない
モノクロの霜降りまんだらけ模様が映し出されていた。

「 はい、左が先ほど写した、器具が入った状態の画像ね。
 そして右側が今の画像。
  子宮の中にはもう何も入ってないのがわかりますかぁ? 」

先程までモノクロ霜降りまんだらけ模様にしか見えなかった
私の身体の中にあるお宮の境内の様子が
矢印で要所要所を指し示しながらの先生の説明で
ようやく理解することとなる。

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「 中に入っていたもの、見ますかぁ?」

強く望むところである。

「 まずコレが昨日挿れた子宮の入り口を広げる器具ね。
 ほら、こんなに太くなってるでしょ。」

と言ってピンセットで摘まれたソレは
昨日まで爪楊枝ほどの細さだったのが、水分を含んで
ふやけて膨張し、割り箸ほどの太さに膨れ上がっていた。
電気やバネの仕掛けではない、いたってアナログな仕掛け。
私にまとわりついて離れなかった透明のはてなマークが
ようやく成仏し、天に召される。

「 それからコレがリングね。」

召還された「 御守り 」は「 命綱 」をつけたまま
血まみれになって銀のトレイの上に横たわっていた。
その様はまるで戦いを終えた戦士の姿のよう。
なんだかとても愛おしい。
今まで、どうもありがとうと心の中で礼を言う。

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先生曰わく、狭くなったお宮の入り口から無理に
「 御守り 」を引っ張ってこの「 命綱 」が切れると
今度はお腹を切って取り出さないといけなくなるそうだ。

「 何日も入院しなくちゃならないし、大変です。
  病院によっては抜けないとなるといきなりお腹切る病院も
 あるんですよ。でもコレは比較的ラク方法なんです。
  どう?痛くなかったでしょ? 」

術後、ベッドでひと休みしている私に
「 今だから話す 」的に語る先生。

「 今日はもう普通の生活に戻ってもらって結構です。
 あ、お風呂は控えてシャワーだけにしてね。
  お薬はちゃんと全部飲みきってくださいねぇ。」

お会計を済ませ領収証を確認。
門の拡張工事に使った器具以外はすべて保険内治療だった。
(-人-) 多謝。
覚悟していた身体のダメージもかなり少なく済んだ。
ヤレヤレ。(ー_ー)

( おしまい )

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ぬいいとさんの「のんびりのびのび」
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