2024年4月20日(土) 09:32 JST

Y太・出産ドラマ②(お産編)

そんなこんなで激動の妊娠中期を終えて妊娠後期に突入。
妊娠中から何かしら上ふたりの姉たちの時とは
ビミョーな違いがあった。
食べたいもの、飲みたいものが
上ふたりのときと違う、だとか
上ふたりのときは欲しくもなかったおビールが
ちょっと飲んでみたかったりだとか。
上ふたりを妊娠中の時は尋ねなかった胎児の性別。
( 出産ドラマ
3回目となると、もし女なら( 旦那の )心の準備の都合が
そしてもし男なら服の準備の都合があったので
胎児性別的中率100%の先生に意を決してこの時期にお尋ね。

先生「 …男の子ですね。」

やっぱり。
女3人の中で育った私にとっては男でも女でも
どっちでもよかったけど、旦那は喜ぶだろな。
………………………………………………
術後から臨月までは平穏無事に過ごせた。
そして1月のとある日の早朝に
約5年ぶりに陣痛がやってくる。
幼いこどもふたりをつかの間家において
旦那の運転する車で実家近くのかかりつけ医へ。
「 ほな、がんばれよ 」
と言い残して旦那は速攻帰路についた。
ラマーズ法も慣れたもの。
そういや手術のあとのどえらい痛みも
なぜかこのラマーズ法で乗り切った。
その後、今日この日までいろんなケガやアクシデントがあり
息が止まるほどの痛さを何度か経験したけれど
すべてこのラマーズ法で乗り切ってきた。
ラマーズ法、ブラボー!(笑)
で、そろそろみたいなんだけどなぁってな時に
看護婦さんから
「 ご主人呼んでみたら? 」
と電話の子機を渡された。
これまで頑なに「 出産の立ち会い 」を拒否ってた旦那。
特に立ち会ってほしいとも思わなかったが
おそらくこれが最後のチャンス。
一生に一度できるかできないかの体験なので
旦那に打診してみることにした。
受話器のボタンに指をかけた瞬間…
「 あ゛~~~~~~!いだだだだ~~~~~っ! 」
子宮口で破水したのが自分でも明らかにわかった。
3回目である。あとの進行は早かった。
いきみも上手なものだ。
4か月前の手術のおかげで怖いものなしである。
そして・・・
「 ハイ!12時ジャストです!おめでとう♪」
院内に出産時お決まりの
「 ハッピーバースデー 」
の音楽が鳴り響いた。
狭い産道をくぐりぬけて出てきたわが子に初めてかけた言葉は
「 おつかれさぁん!(お互い)しんどかったなぁ。^^ 」だった。
結局旦那の立ち会い出産はお流れに。
今にして思えば父と息子の絶妙なコンビプレーだ。
………………………………………………
次の日の授乳室で疲れ切った様子のママさんに出会った。
聞けば私が入院した前の晩から入院していて
私より遅く、夜にやっと産んだとのこと。
丸1日かけてのお産、しかも初産だ。
疲れるのもあたりまえだのクラッカー。( 激古 )
その愛らしくもどこか芯の通った印象のあるママさんが
私を見るなり、「 あなたでしたかぁ。」
と、ため息混じりに言った。
自分が延々と陣痛に苦しむ中、となりの陣痛室では
自分より後から来てちゃっちゃと先に産んでいくし
看護婦さんからは
「 おとなりの妊婦さんはもう3人目なんですよ 」
と聞かされ
「 こんなしんどいこと3回もやって
  しかも、あとから来て
  ちゃっちゃと産んでいくおかあさんて
  いったいどんなヤツやねん?!」
と陣痛に苦しみながら思ってらしたらしい(笑)。
ママさんとの会話は続く。
マ「 12時ちょうどに産みはったんですよね? 」
ぬ「 うん、そぉよぉ。^^ 」
マ「 ですよねぇ!
   12時ちょうどにハッピーバースデーの音楽流れて
   『あ、おとなり、産まれたわ。』
  って私が言うてもウチの旦那、信じないんですよぉ。
  『そんな12時ジャストに生まれるわけがない!
   コレはお昼ご飯の合図の音楽や!』
   とか言うて~。(笑) 」
何度かこのママさんと授乳タイムを共にしているうちに
看護婦さんのこのママさんに対する反応が
イヤにハイなことに気づいた。
どうやら駆け出しの若手芸人の奥様らしい。
ミーハーぬいいとさんの血が騒ぐ。
「 ごめんねぇ~。子育てにまみれた生活してたから
  世の中のことにトンと疎くて~。
  ご主人、なんていう名前で出てはるの?」
ママさんの口から出た芸名は、本名の名字そのものだった。
ぬ「 わかった♪今度テレビで見たら
  陰ながら応援しとくわね~。」
マ「 あ~!ウチの人、あきませんわぁ~!
  だって全然おもんないしぃ~!
  たぶんそんなに伸びませんよぉ~。」

うん、確かに。・・・と数年後納得する。(笑)
その後、彼女のご主人はM-1覇者となり
「 おもろないスベリギャグ 」
を連発しながらも、その甘いマスクと憎めないキャラで
今やヘキサゴンファミリーの一員として
頻繁にお茶の間のテレビに登場している。
しもた。入院中に写真の一枚でも撮っときゃよかった。